※こちらの内容は実際に通所されている方のストーリーを基に作成しております。
呼吸ができなくなるあの感じ──私に起きた“異変”
私は奈良県宇陀市に住んでいる、ごく普通の人間です。しかし…
「突然、息ができなくなった」
それが始まりでした。
人ごみの中、満員電車、会議室…何の前触れもなく、急に心臓がバクバクして、手のひらが汗でびっしょり濡れて、立っていられなくなる。
その瞬間、「ここから逃げなきゃ」と体が叫ぶような感覚に襲われます。
病院で告げられたのは、「パニック障害」という言葉。
診断されたのは24歳のとき。
高校を出てから、ずっと事務の仕事をしていた私にとって、それは“普通の日常”が一変するきっかけでした。
パソコンなんて触ったこともなかった
「もう、どこでも働けないんじゃないか…」「人と会うのが怖い」「電車に乗れない、会社に行けない、自分は社会不適合なのかもしれない」
そんなふうに、自分を責めていた頃。
母が勧めてくれたのが、三重県名張市にあるステップアップという就労支援B型事業所でした。
私は、パソコンなんてまともに触ったことがないし、そもそも働くことにすら自信がなかった。
でも「ここは静かに、自分のペースで作業ができるよ」という言葉に背中を押されて、見学だけでも…と足を運びました。
小さな一歩、動画制作という挑戦
見学の日。
パニック発作が出ないか不安で、事前にルートを何度も調べ、深呼吸を繰り返しながら建物に入りました。
でも、スタッフさんがゆっくり、優しく声をかけてくれて、少しずつ気持ちが落ち着いていったのを覚えています。
そこで紹介されたのが、“動画制作”の作業でした。
「パソコン、苦手なんです…」と伝えると、「じゃあ、マウスを持つところから一緒に始めていきましょう」と、笑顔で返してくれた。
「ここでは、できないことを怒る人はいませんよ」
その言葉に、涙が出そうになりました。
「私が作ったもの」が、誰かの役に立った
数週間かけて、写真を並べて、文字を入れて、BGMをつけて。
一緒に作業してくれる先輩の利用者さんやスタッフさんに助けてもらいながら、私は一本の動画を作り上げました。
その動画が、あるお客様の手に届いたとき──「雰囲気がやさしくて、すごく良かった。ありがとう」と言ってもらえたのです。
「ありがとう」
その言葉をもらった瞬間、心の奥がふるえました。
“パニック障害の自分”じゃなくて、“動画を作った私”が、そこにいた気がしたのです。
今も、パニック障害と一緒に生きている
正直に言うと、発作が完全になくなったわけではありません。
急に動悸がしたり、人の多い場所が怖くなったりすることは、今もあります。
でも、そんな私でも“できること”があると知ったこと。
それは、これからの人生にとって、大きな希望です。
ステップアップでは、「誰かの役に立つ自分」になれる可能性が、静かに、でも確かに広がっています。
同じように苦しんでいるあなたへ
- 「自分なんて何もできない」と感じている人
- パニック障害で外に出るのが怖い人
- パソコンなんて無理と思っている人
──そんなあなたがいるなら、どうか知ってほしい。
ここには、あなたのペースで歩ける道があります。
誰かと比べなくてもいい。
大きな一歩じゃなくてもいい。
“自分で作ったもの”が、誰かの笑顔につながる。
そんな実感が、あなたの明日を少しだけ明るくしてくれるかもしれません。
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▶ 就労継続支援B型「ステップアップ」
📍 三重県名張市
🌐 https://stepup.ngp-grp.co.jp