軽度のうつ病と診断されてから、世界が狭くなった
数年前、心療内科で「軽度のうつ病」と診断されました。
仕事のストレス、人間関係、プレッシャー…。
少しずつ心が疲れていくのを感じていたのに、「まだ頑張れる」と自分に言い聞かせ続けていました。
しかし、ある日、突然、体が動かなくなりました。
朝、起きて準備をしても、家のドアを開けた瞬間、足が止まる。
電車に乗ろうとすると、心臓がドクドクと鳴り、手が震えて呼吸が浅くなる。
気づけば、電車も車も怖くなっていました。
それから私は、家から出られなくなりました。
昼夜が逆転し、カーテンを閉めた部屋の中でスマホを眺めて過ごす日々。
「もう自分は社会に戻れない」と、心のどこかで諦めていたのかもしれません。
「このままではダメだ」と思った瞬間
そんな生活が1年近く続いたある日、母がふとこう言いました。
「このままでは、あなたが苦しいだけだよ。名張に“少しずつ通える場所”があるみたい。見学だけでも行ってみない?」
見せられたのは、就労支援B型事業所「ステップアップ」のホームページ。
“静かな環境で、自分のペースで働ける”“パソコンを使った作業中心”──その言葉に、ほんの少しだけ心が動きました。
「外に出るのは怖い。でも、このままでは何も変わらない。」自分でも驚くほど自然に、見学の予約ボタンを押していました。
ステップアップとの出会い
見学当日。
緊張で足がすくみ、イオンの前で何度も深呼吸を繰り返しました。
でも、中に入ると、思っていた“福祉施設”とは違っていました。
静かで落ち着いた雰囲気。
パソコンに向かって黙々と作業している人たち。
明るすぎない照明と、穏やかなBGM。どこか安心できる空気が流れていました。
スタッフの方が笑顔で「こんにちは」と声をかけてくれましたが、無理に話しかけてくることはありません。
「見ているだけでも大丈夫ですよ」というその言葉に、肩の力がすっと抜けました。
苦手なことに挑戦してみた──パソコン作業
私はパソコンが得意ではありませんでした。
文字入力もゆっくり、マウス操作もぎこちない。でも、ステップアップでは最初から丁寧に教えてくれました。
「焦らなくていいですよ」「ひとつずつ覚えていきましょう」
最初は簡単なデータ入力や文字起こしからスタート。
次第に画像編集や動画のテロップ挿入など、少しずつ新しい作業にも挑戦しました。
“苦手なことに挑戦する”
それは、かつての自分には考えられないことでした。でも、少しずつ“できること”が増えていく感覚が嬉しかった。
「ありがとう」の言葉が、こんなに嬉しいなんて
ある日、私が担当した動画のテロップ作業を納品したときのこと。
クライアントの企業様から「見やすくて助かりました。ありがとう」と言っていただきました。
“ありがとう”そのたった一言が、心の奥にじんわりと広がっていきました。
外に出られなかった私が、今、誰かの役に立てている。
その実感が、自分を少しずつ変えていきました。
無理をしないことを、許してくれる場所
今でも、体調がすぐれない日があります。
通所をお休みすることもあります。
でも、ステップアップでは誰も責めません。
「今日はゆっくり休んでね」「また来週、元気な顔を見せてくださいね」
そんな言葉をかけてもらえる場所だからこそ、私は“戻る場所がある”という安心感の中で前を向けるようになりました。
同じように“家から出られない”あなたへ
もし今、
・外に出るのが怖い
・誰かと話すのがつらい
・働きたいけど自信がない
そんな気持ちで立ち止まっているなら、まずは「見学だけ」でも大丈夫です。
ステップアップには、静かに作業できる環境があります。
話さなくてもいい時間があります。
“頑張らなくてもいい場所”が、ここにはあります。
一歩踏み出すことで、景色は少しずつ変わる
私が最初に通った日は、ほんの1時間だけでした。
でも、その1時間が、人生を少し動かしてくれました。
今では、週3回、午前中だけパソコン作業をしています。
相変わらず不安はあるけれど、「できること」が増えるたびに、自分を少し好きになれています。
もしあのとき、ステップアップに見学へ行っていなかったら──
私は今もきっと、暗い部屋の中で時間を止めたままだったでしょう。
見学・お問い合わせはこちら
「見学したいけど、話すのが苦手…」
そんな方も、メールやLINEでやり取りできます。無理なく、安心して、あなたのペースで大丈夫です。
▶ 就労支援B型 ステップアップ
📍 三重県名張市
🌐 https://stepup.ngp-grp.co.jp
最後に
“働く”という言葉が、怖くてもいい。“頑張る”ことに疲れていてもいい。
大切なのは、少しだけ外の光を見てみようと思える気持ち。その一歩を支えてくれる人たちが、ステップアップにはいます。
メディア掲載
